2005年1月号
巻頭対談
TLO活動の本質を問う!
顔写真

伊藤 伸 Profile
(いとう・しん)

農工大ティー・エル・オー株式
会社 代表取締役社長
http://www.tuat-tlo.com/

顔写真

安田 耕平 Profile
(やすだ・こうへい)

株式会社キャンパスクリエイト
代表取締役社長
http://www.campuscreate.com./


TLOに入るきっかけ

編集長 まず、TLO*1業務に入った経緯を。

伊藤 前職は、日本経済新聞の記者を10年、後半の5年がベンチャー企業の担当でした。そのときにTLOという仕組みを聞き、非常におもしろいなと思いました。自分も何がしかの形で参加というか、起業に絡めたらいいなと思ったんです。筑波大学のMBA*2で経営や技術移転の勉強をしているときに、ちょうど東京農工大学(農工大)でTLOの社長を公募するという大変珍しい試みがあったのです。採用されて準備を進め、平成13年10月に会社を起こし、3年ほど経過しています。

安田 私はずっと会社勤めでしたが、目黒会という電気通信大学(電通大)同窓会の専務理事になったときに、梶谷前学長が共同研究センター長になる直前で、大学の雑用をやるような会社ができないかという話がありました。

1998年にTLO法ができ、産学連携という言葉がどんどん出てきました。学内をいろいろ歩いて200名ぐらいの先生に会いました。梶谷先生と今の地域・産学官連携推進機構長の森崎先生が発起人になり、7月に説明会、8月15日までに出資金を払い込み、9月1日にはもう会社を設立しました。ですから出資者は教員と同窓生55人で、2,000万円弱の資本金からスタートしました。

編集長 当初、仕事の概要はどのようなものであると考えていましたか?

伊藤 要は大学の特許を利用して、利用先の企業を探して対価を得るというぐらいにしか考えていなかったのです。ただ、ベンチャーとTLOというのは関係が強いということは初期から意識していましたが、非常に漠然としていましたね。

安田 TLO法のメインに特許の移転がありましたが、それでビジネスになるとはとても思えませんでした。これではしようがないということは感じていました。

編集長 TLOの業務とは何かを知るためにどのようなことをされましたか?

安田 そのときには東京大学(東大)や東北大学(東北大)にTLOができていましたから、そこの方々にお会いしたり、リクルート社がかなり活動をしていましたので、その方たちと頻繁にお会いして、実態や実務上の情報を集めたりしたのです。

TLO自体がアメリカの学内組織をそのまま持ち出したということがあるので、できてから3カ月目ぐらいに、カリフォルニア州立大学やスタンフォード大学のTLOに行ったのです。翌年にはノースカロライナ州立大のチャペルフィル校とかレーレー校、デューク大、マサチューセッツ工科大学(MIT)、メリーランド大など、東海岸の大学を8校ばかり回りました、2週間ぐらいかけて。MITで言われたことが大学の組織である私にとっては一番参考になり、今のもとになっています。アメリカの大学の組織であるTLOを持ってきて、そんなにすぐにうまくいくとは思いませんでしたので……。

伊藤 MITで印象に残られたこととは何だったんですか?

写真1

「やっている業務内容の中でTLO法に引っか
     かると言われました」と安田社長。

安田 日本の事情を説明すると、「特許だけじゃうまくいきっこない、共同研究とかいろんなことをやらなきゃだめだ、ブローカーならブローカーに徹しろ」というような、アメリカはそういうブローカーがたくさんあるのです。日本にはそのような考えはほとんどありません。

伊藤 私も会社をつくる前に、先行のTLOをいくつか回りました。記者時代に慶応大学の清水先生を取材したご縁もあり、慶応大学へ行って、いろいろ教えていただいたのが最初です。アメリカへも行きましたが、そんなにずれはありませんでした。TLOは僕らで承認24番目だったので、ある程度日本でもTLOという姿ができた後に行ったからかなと思います。会社を起こした後に私的な研究会などに出て、ほかのTLOの人と意見交換をしたりして仕事を覚えたのです。

安田 うちは承認TLOになったのは2003年ですから、承認されて2年になります。それまでの3年間は承認や認証は受けていません。だからこそブローカー的なこともやったわけです。物をつくるのがいけないということで、やっている業務内容の中でTLO法に引っかかると言われたものがありました。後になってから、それは業務を分ければいいということになりましたが。

編集長 スタート時点と比べて、TLOに対する認識に変化はありますか?

安田 大学の研究と産業界が望んでいることとは開きがあって、マッチングするものもあるし、かなり大きく違うということもあるので、この辺の確認はできたということですかね。

伊藤 私のほうは認識にそんなに大きな変化はないです。もともと東京農工大学は共同研究が盛んでしたので、ライセンスだけ取り出しても難しいだろう、共同研究の下地をベースに、ライセンスの点で相乗効果が出ればいいなと会社を始める前に考えていました。それはまったく今でも変わっていません。しかし、こんなにまで社会的に関心が集まる分野だとは、正直、会社をつくったときは思っていませんでしたね。

編集長 TLO業務はどんな人に向きますか? 皆さんの履歴はどのように役立ったのでしょうか?

伊藤 自分が比較的早く日本の産学連携とか、TLOの経緯を見ることができたのは大きな財産だと思っています。また今活躍されている方々を、記者時代に取材できたネットワークは今でも大きいと思います。勤めたのが経済新聞だったということや、経営学の大学院に行って基礎知識を得られたことが、今でも常に役に立っています。

安田 1つは、私がエレクトロニクスの業界に入っていて、マイクロコンピューターの時代からソフトウエアの時代までずっと見てきたこと。ソフトウエア開発ツール方面の仕事をずっとやっていたものですから、エレクトロニクスを使う分野の開発業務会社のほとんどに出入りしていたんです。コンピューター、半導体、物づくりの現場にも相当行きましたので、その方面については話を聞けば、どういう会社だということもわかります。また、その方面にはかなり同窓生もいて、有効な情報源になっています。会社の経営でいえば、事業部や経営管理本部長を経験してきましたので、中小企業を経営することについて何が必要か、ということは大体わかっているつもりです。

伊藤 安田社長の経歴はすごく大きいですね。最近ですとIPO*3、大学発ベンチャー株式公開100社なんていうのを考えていますね。TLOで実質も名目もトップで、役員としてIPOを経験したのは、私が知っている限りでは安田社長だけですね。やはりそういう経験のある人が大学発ベンチャーを押し出す、支援する立場にいるというのはすごく大きいですよ。今やっている会社は小さな会社で、小さいなりにおもしろいんですけれども、公開と非公開の差は、僕は取材する側からしか知りませんけれども、すごく違いますよね。

安田 昔、私もジャスダックの上場に関わりましたが、そのときの資料の作り方って半端じゃないです。会社組織もそれに対応した形に作り上げなきゃいけないとか、その上に売り上げ、利益を出さねばなりませんから。助けてくれるところは少なかったですね、今ほど環境は楽じゃなかった。そういったことはかえってよかったと思います。今はかなり簡単にいきますね。

写真2

「産学連携の中心になる業務は技術・特許を含む
     法的なもの、それから経営の3つだと思います」と
     伊藤社長。

伊藤 株式公開のハードルは下がってきましたね。産学連携の中心になる業務は技術、特許を含めて法的なもの、それから経営の部分、柱は3つだと思うんです。そのうちの少なくとも1つ、あるいは複数をビジネスとして経験していた人がいい。ただ、この仕事は3要素が独立してあるわけではなく、すごく融合した形で求められています。そういう意味ではその融合分野を柔軟にやっていける人。あとは安田社長がよく言っておられますが、コミュニケーション能力がある人。そこがやっぱり最大かな。特許のことが細かくわかっていても、たこつぼみたいになってしまうと、それが進みぐあいを止めてしまう時があります。

TLO業務の本質について

編集長 特許のことは、中核知識というわけではないと……。

伊藤 そうですね、基礎ぐらいでいい。怒られそうですが、特許はアマでも困るし、全く知らなくても困る。プロ中のプロでも困ってしまって、間ぐらいのところで、柔軟性とか、コミュニケーション能力を持っていたほうが、多分やりやすいかなという気がします。

安田 伊藤社長などはちょっと上というか、別な立場から見られているから、かなりバランスのとれた見方ができる。そういう見方が現場でも必要かと思います。それから、経営する側とコーディネータの側の課題があります。株式会社とか有限会社の場合は会社経営ということも考えなきゃいけないから、やはりお金勘定をやってきた人が経営を見なきゃいけない。コーディネータは、もちろん知財の知識も要りますが、職種でいうと、特注機器を受注して販売する、いわゆる特注機器製造メーカーの営業が一番当たると思います。なぜかといいますと、特注機器はお客さんとある程度技術的な内容も詰めなければいけない。自分でできないから、どうしても自社の技術の人を連れてきますよね。要するに自社の技術とお客さんをそこで会わせて、仕様を決めて物をつくり上げていく。当然、自分のところだけで全部はできませんから、協力工場や購入業者などいろいろなところで人とかかわり合うんです。そうすると、自分以外の人たちは全部お客さんです。お金を払う人も、自社の設計の人も、物を買う先もお客さんということで、営業の人はかなりのコーディネータ能力が要る。特注機器の場合には自分も目を通しておかなきゃいけません。小さな特殊なものが入るか入らないかで全部の納期も決まってしまうこともある。そういうことが今のTLO業務にかなり似ていると思うわけです。

要するに技術移転する場合に、会社の人、自分のところの技術屋さんと同じような意味で大学の研究者、いろんな協力をする納入業者や会社、知財の方、みんな含めてお客さんだという感覚がないといけない。どこかでそれぞれが勝手で、かなりわがままなんですよね、身内同士が。それではいけません。

伊藤 いや、そのとおりです。

安田 ものすごくわがままが多いので、これを突っ張ればいいというものじゃなくて何とか折り合いをつけなきゃいけない。そういうのに合っているのは、経験からすると、特注機器の、しかもそんなに大メーカーではなくて、とにかく営業かなと思いますけれどね。

編集部員A お話を聞いていてすごくわかります。私も以前メーカーの営業と技術を担当したことがありますが、お客様にシステムソフトの内容、要求仕様を聞いてやらせていたんです。本当に、調整役ですよね。

安田 そういう人が一番わかるんです。

伊藤 知財で、人によりけりでしょうけれども、ここは譲れないって言ったらそれっきりという人もいますね。そうじゃなくて、何か違う選択肢、どこかで折り合いをつけるという努力、持っていき方ができるかどうかだと思います。

安田 会社はそうでもないですが、研究者の場合には別に折り合いをつけなくても、今まではよかったのです。自分の研究ですから自分の範囲内でやっていけばよかった。

編集長 今後、どのような人材を欲しいと思われますか?

安田 うちはコーディネータは3人とも女性です。先生もほとんど男の人が多いし、業界、産業界はおじさんばっかりですから。女性の方が向いていると思っています。これは私、前職のときから営業マンとして、女性を結構育てたんですよ。その方のキャラクターにもよりますけれど、男だとどうしてもとがっちゃうところが女性だとおさまるというケースがかなりあります。今うちにいるのは、2003年と2004年に卒業した修士、つい最近入れたのは、経験はまったくないんですけれどコミュニケーション能力と人当たりがいい人。ですから、技術面はほとんど考慮しないで、人と会って話ができて、相手が楽しいという人であればいいと。

編集部員A では専門性は特に必要なしということですか。

安田 そういうことよりも、まずコミュニケーションです。人と会っても楽しくお話ができるっていうサービス業の……(笑い)。

伊藤 ほんとサービス業なんですよ。人当たり、柔軟性というのは第一です。専門性って、例えば私のところが扱う分野はバイオ系とか化学系が多い。それをみんなが持っているというのは無理です。チームの中でだれかが専門分野を知っていればよくて、足りない部分はチームワークで補えばいい。さっきお金勘定っていうお話が出ましたけど、同じですよね。ちょっと古くさいかもしれませんが、もったいないとか、世話やきとか、働き者とか、そういうことを嫌がらないでできる人。身についている人が大切ですね。そういう人じゃないと安心して任せられないという気がします。

TLO経営を語る

編集長 TLO経営者に対してのアドバイスをいただきたいと思います。TLOをつくる上において、まず重視しなければならない点を。

安田 まずは目的をしっかり持つことです。どういうことを重視するか、技術移転なのか、特許なのか、その2つ以外にも選択肢はあると思いますが。私がいろいろご相談をお聞きしたときに、TLOというと、「うちにもこれがあれば」、「うちの県でも」というのですが、あればそれでいいのかということです。その目的によって、経営を見る人が1人いれば、TLOはできてしまうのですが、そういう人が現地で決められるかどうかということがあります。

それと、もちろん重視すべきは技術成果のソース元、つまり研究者の、大学であれば大学とどれだけ協力関係がしっかりと結べ、納得した上でやれるか、その地域の協力がちゃんと得られているかどうかということです。

伊藤 やはり設立目的の明確化ですね。さっきおっしゃったほかにも、例えば地域振興なんていう目的があるかもしれません。何のために動くかというのが大前提ですね。つくったときの目的がはっきりしてないと、成果が出ているんだか出ていないんだか、評価が高いのか低いのかわからない、それはすごくつらいですよね。

2つ目はスタッフですね。どういう人が支えていくか。ほんとうの原動力というのはスタッフをどうするかということです。

3つ目は、責任の範囲とリスクの認識を徹底しろっていうことですね。形態によってもリスクが随分違います。株式会社なのか、既存の財団法人なのかとか。責任範囲でいえばどこまでを事業範囲とするのか。どういうビジネスをするのかというのがわかってないと困ります。自分が苦労したから思うのですが、あいまいにして、つくった会社に何でも投げてしまえばいいということになると、ビジネスに乗るものも乗らないものも全部ふってきたり、責任だけが回ってきたりする。そういうところを明確にしておかないと、実際に経営したときに経営者が非常に苦労する。スタッフにとっても、そこが誤解や戸惑いのもとになります。

安田 多くのところは、多分、何となく釣り上げられちゃったという経営者がほとんどですから、自分はやりたくてやったのではないと。中小企業の経営者の人がよく、「別に人から頼まれてやっているわけじゃない、好きでやっているんだから、嫌だったら俺はいつでもやめられるんだ」って言う。でも、頼まれてやっているっていう人も現にいることが問題だと。

編集長 TLOのスタートアップ期に主力を注ぐべきはどんな点でしょうか?

写真3

「会社の中心メンバー、スタッフと大学との関係
     を非常に密にしないと」と安田社長。

安田 目的や意識もそうですが、会社の中心メンバー、スタッフと大学との関係を非常に密なものにすることですね。とにかく一緒になって協力しないとなかなかできないことですから、意思の疎通を図っておかないと基本が崩れてしまいます。どんなことがあってもお互いが譲り合うところは譲り合って尊重していかないといけません。それがないと、漕ぎ出すときも足並みがそろわないんじゃないかと思います。

伊藤 信頼を得ることが大切ですね。産学連携になれてない先生もたくさんいらっしゃるわけで、できたとしてもうまくいくのかどうか、懐疑的な部分が必ずある難しいビジネスですから。外にも内にも、とにかく信頼が置ける組織であることが大事です。

  もう1つ挙げるとすれば、メディアなどを使って外に出せる、金額的には小さくてもいい成功の実例を早く出すこと。成果を多くの人に示せるようになるというのが早道だと思います。

安田 有力な先生を仲間に入れることは大切なことです。そういう人は必ず過去の実績もある方ですから、一緒にやって何もないということはない。それから、今までそういう機会にあまり恵まれてなかった人にも声をかけて、ちょっとでも実績がつくと自信になる。電通大のケースでも、今まで1件もやったことのない、特許もまったく出したことのない先生の仕事を企業が認めてくれて、共同研究が来ましたよと言うと、やはり喜ぶわけです。だれだってそういうことについては協力的だと思いますが、中には一切お金は要らないという方もいます。人に認められるということを、喜ぶ人のほうが多いと思います。

編集長 現在、収入の柱をどのように立てておられますか?

伊藤 特許、ノウハウのライセンスというのが1つの柱です。ライセンスに絡む共同研究プロジェクトのマネージメント収入や、補助金などをもらうときも多いです。今後の期待は、大学発ベンチャーのエクイティですね。何かの形で大学発ベンチャーに絡んでいって、それなりの柱をつくるような形にしたいです。

安田 同じですが、それ以外にソフトウエアをつくるとか人材派遣とか、ちょっと変わったことをしている、それも技術移転の一環だと思って。大学の技術の移転というのは非常に不確かで、なかなか予算化できるようなものではありません。前の年、コンサルティングでやったから継続できるかっていうと、終わってしまえば終わりとか……、助成金なんかも保証はないですから、その辺がつらい。だから経営する側としては、日々毎月の売り上げベースで確保できるものをどうしても確保していきたい。キャンパスクリエイト(以下「キャンパス」)の場合は、1つは人材派遣、1つはソフトウエア作製、それは無視できない金額になっています。それだけで通常の経費関連は賄っていく。技術移転は、それだけプラスというような格好に、早くしたいと思っています。

伊藤 予算化しづらいって、本当に思いますよね。仮に予算を立ててもあまりにも違っちゃう。要するに最初の予算を立てるのがばからしくなるぐらいに変わってしまう。将来の柱をどうするか。私は、どっちかというとライセンスのほうで安定化を目指したい。今、当たり外れが大きいのは、どうしてもライセンスは一時金に頼っているところが大きいからなんです。それを何とかランニングロイヤリティとミニマムで、ある程度、従業員の何人かは安定して雇えるような軌道に乗せたい。ランニングだと企業は普通に営業活動をしていれば、一時金に比べて安定していますから、そういったもので毎年入ってくる基盤を、数年のうちに確保したいというのが本音です。

安田 私は特許をあまり当てにしてもだめだと思っていて、確実に計算できるようなことでないと経営にとっては非常にリスキーなんです。何となく新しいものが見えないわけではありませんが、それにしても予算化とはほど遠いことです。

伊藤 対談の副題に「ブローキング派vs.マーケティング派」とありますが、どちらかというとニーズからアプローチするか、シーズからアプローチするかという違いのほうがより正確だと思いますが……。それがいいか悪いかはともかく、今やっているのは、私がシーズ派で、安田社長のところはニーズ派だろうなと思います。

安田 ほとんどのTLOは、自分の大学の技術をという形でシーズなんです。幸か不幸か、電通大の場合にはそんなにたくさんシーズがないものですから、お客さんからご相談があったときに、電通大でこたえられないものを今でも10大学以上にお願いしています。それは別に問題なく各大学で対応はしてくれます。いろんなものを持ち込まれても決して断らないで、何とか探そうというのがうちの方針です。ありませんからということで断ったことはないんです。

伊藤 それ、すごいですね。

安田 だから、何でも探すんです。ナマコの養殖まで探したりして(笑い)。

伊藤 それ、どこに持っていくんですか。

安田 それは水産学部とか……。何でも屋さんです。

写真4

     「だから、何でも探すんです。ナマコの養殖
          まで……」と安田社長(右)。

伊藤 多分、そこが違いだと思うんですね。あるシーズにとにかくお客さんを見つけてくる、あるいは既にパイプのある人をお客さんまで引き上げるというようなことをやってきました。いろいろモデルはたくさんあると思うんですが、私の農工大に関して言うと、シーズをプッシュしていくアプローチのほうが効果的だと思ったのです。プッシュしているだけだったら、企業が使いたいレベルと大学の研究レベルとの乖離(かいり)でマッチングしない。そこはわかっているので、シーズプッシュだけではなくて、ニーズからもある程度加速をさせようと。特許の実施許諾だけで難しいなら、先生との共同研究を絡める。共同研究でも最近マッチングファンドみたいな補助金があって加速させる仕組みがあるから、そういったものに引き込んで、シーズを売り込んでいく。それが比較的うまくいっているので、私はシーズプッシュとニーズ加速、ニーズアクセラレートでしばらくはいけるかなと思っています。

安田 うちもそれはやっているけど、エレクトロニクスや通信というと、件数的にそんなにいける分野じゃないのです。やれる範囲が少ないと、ほかの大学のところも頼らざるを得ないというかね。それについて、先生は別に文句も何も言いません。

伊藤 ネットワークをつくるのは電通大の安田社長は早い。驚いたのは、島根大学とか北見工業大学とネットワークを組んでいるということ。うちは北九州TLOと連携をしていますが、もともとご縁があってやっていることなので、私がネットワークを広げたというわけではないのです。

安田 うちは必要に応じてとにかくあちこちに頼らないといけないので、コラボ産学官*4の大学は今15校ありますけど、半数以上にお願いしています。それ以外にも、個別に当たると先生方には対応していただけます。

編集長 新しい顧客が増えるんですか? それとも同じお客様が何度も?

安田 いや、結構増えますよ、それは。新規が多いです。

TLO人材の育成をどうするか?

編集長 人材の育成はどのようにしておられますか?

伊藤 基本はオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)でやりながら、実習で覚えるというのが一番だと思います。最近、大学知財管理・技術移転協議会や科学技術振興機構(JST)でも研修していますね。ああいったところで自分に足りない部分の研修を自主的に受けにいくということだと思います。

編集長 どれぐらいで一人前になるんでしょうね。

伊藤 難しいですね。でも、筋のいい人は1年ぐらいでコーディネータとして十分。部分的に専門知識が足りないとかありますけども、本質的には1年で大丈夫という人もいますよね。柔軟性とか、人当たりとか、お話ができる人は早いです。

安田 OJTを主体にして、うちはISO*5を2005年に取るんです。これは人材育成に非常に役に立つ。業務自体が非常に多岐にわたっているので、これのドキュメント化とか、当然のことながら顧客重視はTLOでも考えていかなきゃいけない。2005年の1月に審査があって、何とかそれを通させたいなと思っています。

伊藤 ISOは品質管理のほうですか、TLOでは初めてですね。

安田 そうですね。ISO9001です。何でも初めてです(笑い)。

伊藤 いや、すごいですね。審査って大変ですよね。ニュースですね(笑い)。

安田 結構大変ですよ。準備に丸1年。

伊藤 すごい。すばらしい。これは本ジャーナルのスクープじゃないですか。

安田 今、品質管理者は2日に一遍会社へ泊まっているようですから。

伊藤 うわあ。へえー。プログラムとか、いろいろ物を販売していることを考えると、海外の展開に有利になるということなんですか。

安田 いや、1つはやはり社員教育です。業務に対して自分は何をやっているかということをちゃんとドキュメント化して、それは一体だれの命令でやっているかということ。何か問題があった場合にどういう報告をしているか、それをどのように是正するのか、また予防するのかということですよね。業務自体の仕分けというか、自分は一体どこの部分をどういうふうにやっているのか。特に手間がかかる場合はその場でやっていることが結構多いんです。そうすると新しい人とか、業務の新展開のときに、教えるのに時間がかかる。

編集長 そうすると、品質管理専門の方がいらっしゃるわけですか。

安田 品質管理者がいます。うちの総務課長がやっています。うちの場合は正社員として一番多いのは、総務部と技術移転グループなんです。そこにちゃんとコスト意識を持った人たちがいれば、そんなに心配することはない。あとはきちっと注文をとってきて、お金にしなきゃいけないということはあります。まず、自分の仕事自体と誰の指示を仰ぐのかがきちんとないといけない。いつもそういうリスク管理をしておかないと、TLOといっても会社組織としてはかなり脆弱なんです。実際には株式会社であれ、有限会社であれ会社組織だし、税務署も別に勘弁してくれるわけじゃないし、社会的な特権もあるわけじゃないので、ユーザー、顧客重視という形が重要です。

伊藤 考えさせられますね。ドキュメント化は実は結構やろうとしました。事務系の引き継ぎマニュアルをやったんですけど、それでも大変で、結局、ドキュメント化はうまくいっていません(笑い)。

この部分は定形業務が少ないのです。自分でやらないといけなくて、だからほんとうにマニュアルがつくりづらいんですよね。ですから、本当に驚きました。

編集長 安田さんもマニュアル化しづらいという部分があったわけですよね。

安田 そうですね。そういうのが人材育成かなと思いますが、まだまだ個人に相当寄っちゃうということですよね。

編集長 安田さんのところでも大体1年ぐらいですか。

安田 1年でどの程度のことを言うのか、お客さんに失礼にならないようにちゃんとコーディネートができるということであれば、1年あればできないことはない。新しいところからこっちが希望するようなネゴシエーションができるかどうかというのは、これはまたちょっと難しいです。経験や相手を見る目、相手の懐の金がどれくらいかということとかがないと、定価販売ってないのです。

伊藤 知財評価をどうするかですね、値付けですけど。特に大学の出願中のもの。要は企業で使って収入が入っていれば、かけたお金と使ったお金でとりあえず収支があるのですが、そもそもまだ使っていなくて、もうけてもいない。権利も確定していない。それにどう値段をつけるのか。とりあえずしばらく特許を維持するためにかかる費用は最低限のところで、上限はどの辺にしたらいいのか、難しいのです。そうはいっても払える金額というのはあって、その中で折り合いをつけていく。

安田 うちなんかも最初1億円とかっていうのがあった。やっていくうちに最終的にはその10分の1でとった。それこそ特許になるかならないかもわからない。それだったら買うっていうから、しようがない。研究者がどんどん新しいものを出せればいいんだけど。でも、そういうのが年間に1つか2つあるといいよね。

伊藤 いいです、ほんとに。ホームランというのは少ないけれども、あり得ると思うんです。アメリカでいうと100万ドル、日本円でいうと大体1億円。ホームランの率は、アメリカだと0.6%って統計的に言われている。そうすると、200件やれば1件出てくるっていう話ですね。今、日本のTLOは年間数百件成立していますから、確率的に言うとホームランが何件か出てもおかしくはない。だから、少なくとも期待ぐらいはしないとつまらないですよね。

編集部員A 通常どのくらいなのか、見えるんでしょうね。

伊藤 昨年3月末の日本の36TLOのロイヤリティー収入の累計が約13億9,200万円。収入のあったライセンス件数は累計で833なので、平均で170万円ぐらいになる。ただ、憶測ですが、正規分布になってなくて一部がドカーンときて、あとはほとんど手付け程度。

編集部員A モノになっていないものがいっぱいあって、モノになったもので何とか帳尻が合うというような。

安田 特許出願料40万円ぐらいのやつが多いんじゃないかなと。

伊藤 そうだと思います。さっきMITの言っていたブローキングというのは、どういう役割なんですか。

安田 要するにアメリカのブローカーですよ。とにかくあちこちからいろんなものを持ってきて、お客からするとレプレゼンタティブに近いものですよね。そんな小さな大学だったら、ブローカーでもやらないとだめだろうなって。

伊藤 要はニーズに応じて、それにふさわしいシーズを、1カ所にこだわらずにいろんなところから集めて持ってくるということなんですね。

安田 MITで言っていたブローカーというのはそういうことです。アメリカでは今でもAUTMなどへ行くと、そういう連中は結構多いですよね。それはまた分業化されて専門的な、この専門では小さいところも結構あって、個人のところもある。専門商社みたいなものですね。

編集長 商社に近いですね。

安田 うちは完璧に商社なんですよ。物もつくっていたんです。今はやる時間がないからやめているけれども、もともとそういう物をつくったり、ソフトウエアをつくったりというのは私自身も相当やっていました。一緒にやっている伊藤という常務も同様でしたので、全然困らずにつくれるんですけど、在庫を持ったりするのはもう嫌だから、物をつくるのはやめましょうということにしました。最初は随分つくったりしましたが。会社をつくったときは、ほとんど売り上げはありませんでした。

写真5

「要はニーズに応じてそれにふさわしいシーズ
     を集めて持ってくること」と伊藤社長。

伊藤 僕の場合、それはシーズを1個に求めるか、複数に求めるかだと。先生が異動しない限りは農工大のシーズしか扱っていませんので。

安田 伊藤さんのところは信託とかは考えませんでしたか?

伊藤 検討課題です。ちょっとおもしろいと思っています。信託業法が改正されて、株式会社じゃないと実はできないんです。ただ、TLOは届け出でいいんでしたっけ、登録でしたっけ?

安田 免除の事項が結構ありますね。

伊藤 ですから、かなり有利な条件で信託業をすることができるんです。有利というのは、やることがじゃなくて始めることに、条件が有利なんです。幸いなことに、キャンパスもうちも黒字ですから、本体で信託ができる、それで何かやりたいなと私も思っています。信託というのは、大学発ベンチャーとの絡みで資金調達にも使えるのです。知財の資金調達でもいいのですが、そういったものでおもしろいことができれば、将来的にはそれも1つの柱になれるかなと思って。

各機関ごとの資源を見抜く

伊藤 TLO業務の関係論について、そう言うとちょっとおこがましいですけれど、部分的な情報だけ聞いて、あそこやっている、ここやっているって判断しちゃうと、ちょっと危ないと思うんです。確かに、例えば農工大、当社であればマッチングファンドをたくさんやっていて、あそこはただ単に補助金をとるのがうまいというと、実はすごく大きな違いがある。地域コンソーシアム*6とか、クラスターとマッチングファンドの違いっていうのは、研究のマネジメントだけじゃなくて、研究成果のマネジメントまで、予算を含めて制度設計されているというところがえらい違うんです。

それから、安田社長のところをまねして、「何でもやればいいや」っていうのだけをまねするんですけれども、安田社長のような株式公開企業の役員をなさった方がいて、それをもとにして最高のことでも時にはやめちゃおうという判断ができてやるのと、ただ研究者の方が社長になってまねだけしてやるのと、実は1つ間違うと遠回りになってしまうんです。うまくいっているところのまねを表面だけしちゃうのは危険だなと思います。山口TLOなんかを見てもそうですけれども、実績もあるし、裏づけの理論も相当しっかりしていますよね。それはそれぞれ引っ張っている人が、考えに考えた上でやっているんだと思うんです。

最初に言った、モデルは多様であるというのは、私もできたときなんかはすごいプレッシャーの中でやっていますから、何やったっていいじゃないかってほんとうに思います。次から次へと危機が襲ってくるわけですから、その危機を乗り越えるため、いろいろ考えなきゃいけない。何やったっていいように思っても、根底にしっかりとした考え方がなくて。表層だけまねをしてしまうと、続かない気がしますね。

安田 まだこれからTLOをつくろうというところが結構あって、いろいろ相談に来たりするけれど、つくればいいというものじゃない。

伊藤 キャンパスはいいと、じゃ、ほかのところが形だけ見てできるかというと、そうはいかない。電通大のもともとのプログラムだとか、強いシーズがあってこそ成り立っているキャンパスの条件がある。また例えば、農工大ティー・エル・オーにも条件があって考えに考え抜いてやっている。その条件が1個でも2個でも変わったら、実は違うものの方がいい可能性があるんです。そこのところを見きわめないでまねしてやってしまうと、問題だと思います。

安田 だから、それぞれの大学とか、そこの持っている資源をどれだけ見抜くかなんです。そのことが見抜けないと、ほかのところからいいとこ取りしようとしてしまうが、そんなことは結局できないんですよね。実際に自分たちがいる場所で持っているアドバンテージが必ずあるはずだから、そのアドバンテージを、どれだけ利用するかなんですよ。そこがわからないと、要するにおのれがわからないと、売りにいこうにも売りにいけないわけですよ。

伊藤 その点で言うと、安田社長と私がやっていることは同じなんです。その資源が電通大と農工大で違うから、安田社長は多少ニーズのほうに力を入れて、こっちはシーズのほうに力を入れて、一見したところ違いがあるというんだけれども、この根本の自分特有のシーズを認識することが大事です。どっちかだと思ってまねしちゃうと、大変なことになっちゃうということなんですよ。

安田 ここで持っているのはうちで売れるものだけど、向こうへ持っていったら腐ってしまったりする。違うものだから、それは無理なんです。

伊藤 そう、そこがきっと本質ですよ、TLO活動というか、TLO経営の。

安田 画一的にはできないのだから、TLO法だけでやろうとして、それをそのままうのみにしてやっちゃうと、とんでもないことになるんです。ほかのTLOの傾向だとか何だとか、参考にされることがあるが、それは全部が全部できることではないと思うんです。

伊藤 特に地方とか中小のTLOで、もっと深刻に直面している問題がきっとたくさんあって、そっち側の解決法を教えてくださいっていう人がたくさんいるんじゃないかと思います、正直言うと。キャスティ*7の非常に先進的な、高度な部分だけ勉強するよりも、人づき合いをまず学ぶとか、その実例をキャンパスでOJTするとかのほうが役に立つ場合が必ずあると思うんです。

安田 地方から人材派遣のやり方について教えてくれとか、こういうのをつくってそのやり方を教えてくれとか、そっくりまねしたいというのもあります。そんなのを持って帰ってもできないんです。

TLOは錬金術のツールになるか?

編集長 TLOは錬金術のツールでしょうか、それともスモールビジネスとして終わるのでしょうか、というあたりを自由にお話し願いたいのですが。

安田 やっていることからすれば必ず、錬金術というか、大化けする可能性があると思ってやっているわけです。スモールビジネスで終わるとは思ってない。報道では、グーグル*8が600億円ですからね。何も600億円とは言わないけれども、キャスティのオンコセラピーだって2、30億円あるでしょう。

伊藤 そうです。だから、去年の36のTLOは全部あわせて5億5000万円ぐらい、松井秀喜選手の年俸ですよね(笑い)。1人で済んじゃう、日本人大リーガー1人雇うと。それ、悲しいですよね。だって、これだけ全国の知恵を集めて一生懸命やっていて。錬金術という表現がいいかどうかは別として、スモールじゃなくてビッグビジネスをしたいですね。

安田 そのためには特許とか、大学発ベンチャーとか、そういう可能性のあるところをいろいろ育てていくと、そういうことができると思いますよ。

伊藤 私も思いますね。だから、そこで信託を絡めていくとか、いろいろ考えることはありますよ。

安田 そうそう、いろんな手はあるんですよ。

編集長 今後のTLO信託業務*9の可能性についてお聞きします。

安田 法律自体が2004年11月26日に通ったばっかりですから、施行されるのは2005年ですね。

編集長 そのときに、一斉に始めることになりますか?

安田 できるのは、多分、数社でしょう。要するに特許の証券化や信託化ということだから、その特許についての専門的な知識を持つ特許の流通とか。国もTLO法をつくって会社組織を認めているわけだから、そういったところにもその種を与えようということですね。特許についての判断とは、非常に難しいですから、それはそれなりにおもしろいのかもしれません。

編集部員B 特許の証券化とは、投信投資会社やアセットマネジメント会社みたいなものを、別途つくってやるという話ですか? 

安田 まあ、そうですね。特許を1つの財産とみなして、土地やそういったことと同じようにみなしてやるわけですから。

伊藤 今、国立大学だと大学で特許を持てるわけですよね。それが100件とか200件まとまったときに、それをTLOが信託で受けるんです。その受けた信託を、例えばそこで信託商品にするのかな、それを売ることができますよね。それで資金が回収できる。ただ、その特許を運用してその部分の運用益は買った人に返さなきゃいけないということがあるので、運用益が出ないと大変なことになってしまうわけです。

編集部員B 買い手は金融機関なんですか、それともだれか……。

伊藤 一般投資家ですよね。一般といっても、ほんとうに個人が買えるとは思えないので、やっぱり機関投資家になると思いますけどね。

編集部員B 私、実はリート、不動産投資信託を昔やっていたことがあって……。

伊藤 不動産のほうがいいですよね。金額の規模が違います。土地を買って、ビルを建てたほうが規模が大きいでしょ。大学が1つぐらいの規模で信託をやって、事務のほうだけ煩雑になっちゃって、規模としてのメリットが出るのかっていうのがどうしてもあるんです。

編集部員B そこは有力な金融ブローカーが何個かくっついて、1個やるみたいなことがあるんですね。

伊藤 あるかもしれませんよね。だから、TLOの中で数社しか信託をやらなければ、ほかのところはそこに集めてくるとか。

編集部員B 結構早い者勝ちというか、うまくいけば最初にやった人が安定できるかもしれない。

伊藤 かもしれません。やっぱりそこはやるんじゃないですかね。財団でできないですから。しかも承認TLOというのが条件なんです。承認TLOで株式会社で、黒字で、5,000万円以上でしたっけ、資本金とかの条件があって。

安田 資本金の条件はつけないことになっているのですね。

伊藤 きっと本質というのは、さっきおっしゃったマッチングのところだと思います。マッチングの仕方で対比して、シーズ重視とニーズ重視が違うとか、複数の大学とか地域とか、アプローチはいろいろあっていいと思うんですけれど。さっき安田社長がおっしゃったいろいろな条件のもとで一番有利な資源を利用して、自分のモデルを利用するところが本質だと思うんです。

アメリカだって、ブローキングのマーケティングとシーズプッシュの、両方が今も生きているということは、アメリカですらモデルが少なくとも2つはあるということですよね。

安田 そうですよ。ここのところ、毎年カリフォルニアのアーバインに行っていまして。アーバインのTLOが最近ずっと伸びているんですが、それは特許をもとにして継続した共同研究というか、マッチングファンドも企業と共同出願したりしている。そういうのも継続する方法をとってないと、特許を売るだけでやるというのはほとんど難しいというか。どこでも同じじゃないですか、それは。

伊藤 そのように思いますね。

*1TLO
本対談では、技術移転・技術移転機関など技術移転に関連する事柄など広い意味をさす。

*2筑波大学MBA
1989年、日本で初めて経営学修士(MBA)課程を持つ夜間開講制の社会人大学院として筑波大学ビジネス科学研究科でスタート。
http://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/

*3IPO
新規株式公開のこと。経済産業省は大学発ベンチャー1000社計画達成の次期プランとして1000社のうち100社の株式公開を目指しており、本対談ではその意味も含む。

*4コラボ産学官
全国の大学等研究機関、産業界、官界、学会などの連携関係を支援、促進する産学官連携組織として創設。東京・江戸川区船堀にある拠点「コラボ産学官プラザin TOKYO」には北は北見工業大学、室蘭工業大学から南は大分大学、長崎大学まで9大学1機関が入居中。このほか、大手企業、地元中小企業、大学発ベンチャー、全国の大学が会員として入会している。
http://www.collabosgk.com/

*5ISO(国際規格)
ISO9001とは企業の品質保証体制の構築に関する品質マネジメントシステムの国際規格。

*6地域コンソーシアム
経済産業省の地域新生コンソーシアム研究開発事業のこと。
参考http://www.gioss.or.jp/current2/cr041004.htm

*7キャスティ
旧(株)先端科学技術インキュベーションセンター(CASTI)。(株)東京大学TLOに名称変更。愛称としていまもCASTIと呼ばれている。東京大学の知的財産の権利化を行う技術移転機関。
http://www.casti.co.jp/about/corporate.html

*8グーグル(Google)
インターネット最大の検索エンジン(http://www.google.com)を開発、提供する会社。1998年9月創設。

*9信託業法
2004年11月26日、信託業法の改正案が成立、知的財産権信託業が解禁になった。

**「コーディネータ」と「コーディネーター」の表記について
本ジャーナルでは、特例を除き「コーディネータ」で本文を統一しています。肩書などについては各所属機関での名称を使用しています。