2005年2月号
編集後記

創刊号の編集後記というのは当然のことですが、出る前に書きますね。第2号ですから創刊号を見てから書いているかといいますと、そうでもないのです。そこで今回は本ジャーナルの創成について少し書いておきます。ほぼ1年の胎中期間を経て産声をあげました。父は誰か? 母は誰か? となるとこれは難しいですね。父の声は聞こえたようです。初期の声はコーディネータを支援せよ!という声でしたが、胎児が成長するにおよんで期待度が高くなり、日本全体の産学官連携促進支援のために黒子になり働け!となりました。企画のスタート以来、3、4カ月に入った頃の胎児としては、かなりびっくりしたのを覚えています。青天の霹靂(へきれき)でした。でも何とか無事産まれましたね。皆様とともに成長させてください。よろしくお願いします。

(江原委員長)

産学官連携の幅は広い。それに携わる人もまた多様である。知識を作る人、モノ(有形物のみにあらず)を作る人に始まり、支援する人、その環境を作る人、戦略を立てる人、法律を考える人、教育する人、果ては評論家まで。これらと関連する人々まで考えれば、産学官連携と無縁の場所などなくなるのではないか。

実はもうひとつ重要な人が必要だ。それは「くっつける人」……コーディネータと呼ばれることの多い人々である。相手にする人々は凄まじく広い。編集を通して思い浮かべる人々は、学術の発展から経済効果までの一貫した「産学官連携フィロソフィー」を持っている。コーディネータの武器は強い信念と人を引き寄せる魅力。このジャーナルに新たな「知的生産プロセス」創造にチャレンジする人々の「生きざま」があふれ出ることを期待したい。

(荒磯委員)

欧米主要国に比し「2周遅れ」と揶揄(やゆ)されてきたわが国の産学官連携も、近年の共同研究の大幅増、大学発ベンチャー・技術移転活動の拡大、各地域のコーディネータの着実な増強など、量的拡大は一巡した感がある。従来の「ニーズとシーズのマッチング」といったリニアモデルに基づくアプローチから、産学「共創」による新たな価値・市場創出とこれによる持続的発展という質的深化の段階に入ったと言えよう。今後はベンチャーキャピタル(VC)や株式市場からの資金調達など「ポスト公的支援」のファイナンスの立場から各事業の厳しい淘汰の時代に入っていくが、その意味でも先進的取り組みの中から複数の顕著な「成功事例」が出現し、これらをモデルに第2世代の事業が育っていくことが切望される。本ジャーナルの内容が、第2世代を担う関係各位に大いなる示唆を与えてくれることを期待したい。

(斎藤委員)