2006年4月号
イベント・レポート
「第1回 沖縄産学官連携推進フォーラム」報告

第1回沖縄産学官連携推進フォーラムは、平成18年3月8日(水)に那覇市の沖縄産業支援センターで開催された。本フォーラムは沖縄県で最初の開催であったが、同時に、3月10日に発足した(株)沖縄TLOの創立記念のフォーラムであり、テーマは「(株)沖縄TLOの沖縄経済活性化への挑戦」であった。

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国立大学法人琉球大学地域共同
     研究センター((株)沖縄TLO社長)
     照屋輝一教授の講演

(株)沖縄TLOは、沖縄の産業界・大学等・行政の連携により、沖縄における技術移転機能を中核とした、新産業の創出を支援するオンリーワン企業を目指す、いわゆる地域TLOである。本県の場合、琉球大学などの大学ばかりでなく、オール沖縄型のTLOへと進化して設立されたことが、森田孟進・琉球大学学長が挨拶の中で話された。

基調講演では、設立の平成13年以来成果を挙げてきた農工大ティー・エル・オー株式会社の代表取締役社長・伊藤伸氏が「TLOと産業振興」の題で、産学官連携の概略を経験に即して述べられた。 同氏は、「TLOは、研究大学に不可欠な機能であり、地域知財インフラの一つである」とエールを送られた。琉球大学地域共同研究センターの照屋輝一教授は「(株)沖縄TLO設立とその役割」と題して、5年を要した沖縄TLO設立までの経緯から、将来に向けて期待されるその役割まで話された。

写真2

パネルディスカッション「(株)沖縄TLOによる
     地域経済活性化を探る」

照屋教授をコーディネーターとしたパネルディスカッションには、農工大TLO(株)の社長・伊藤伸氏、(社)沖縄県工業連合会副会長・上間恒義氏、沖縄工業高等専門学校副校長・ 真鍋幸男氏、内閣府沖縄総合事務局経済産業部長・仁賀建夫氏、沖縄県観光商工部産業振興統括監・仲田秀光氏が参加した。パネルディスカッションは「機関における知的財産も含む産学官連携の取り組み」、「沖縄TLOへの注文」、「会場からの発言」の三部で構成され、本音の活発な議論がなされた。(株)沖縄TLOは産学連携の懸け橋として、大学などに集積されている知的財産の移転・活用を推進し、産業振興と大学などにおける研究の活性化を促進する方策を探り、沖縄地域経済の活性化に資するものである。近年、沖縄県で拡大に成功した産業は、必ずしも技術的知的財産をベースにしたものではなく、従って、技術特許などをベースとする地域経済の活性化のアプローチには危惧(きぐ)を感ずるとする意見も出された。しかし、沖縄においては新規事業や新規産業を創出し、雇用の創出が求められる。

総じて、沖縄県における産学官連携やそれを実現するための地域インフラとしてのTLOへの期待が表明された。    

(本誌編集長 加藤多恵子)


日時:2006年3月8日 10:00~17:30
場所:沖縄産業支援センター 1階ホール・物産展示場
主催:沖縄産学官連携推進協議会
(内閣府沖縄総合事務局、沖縄県、琉球大学、(社)沖縄県工業連合会)