2006年6月号
イベント・レポート
「日本鉄鋼協会シンポジウム『動き出した産学連携-現状と期待』」報告

日本鉄鋼協会の春季講演大会で産学連携シンポジウム『動き出した産学連携-現状と期待』(産学連携(F)フォーラム座長:長谷川史彦教授(東北大))が平成18年3月23日に開催された(於早稲田大学理工学部)。

前半の基調講演は鈴木信邦グループリーダー(新日鐵)と丸山正明編集委員(日経BP)の2人。鈴木氏は「産学連携の政策動向と鉄鋼産業からの大学への期待」で鉄鋼業界が必要とする産学連携の考え方を述べた。現状課題の解決型で進めるのではなく、10年後・20年後の技術を共同で研究したい旨を述べた。新たな視点でのアイデア、異分野との融合による新たな発想を大学に期待し、「産発プロジェクト展開鉄鋼研究」を日本鉄鋼協会として公募し鉄鋼研究の振興活性化を図る。

続く丸山氏は「産学連携の成功例について 実例を基に」でさまざまな業界での産学連携の成功例を述べ、産学連携が成功する大学側と企業側の条件を述べた。

写真1

パネルディスカッションの模様

後半のパネル討論は、モデレーター:喜多見淳一教授(東工大)、パネリスト:伊藤学司室長(文科省)、豊田政男教授(大阪大)、三島良直教授(東工大)、高木節雄教授(九州大)、大内千秋教授(東北大)の6人が務めた。冒頭で喜多見教授は、法人化後のメリットを産学連携に積極的に活用した事例を通して、他大学や他産業の活動の参考になることを期待したい、と討論の趣旨を述べた。

伊藤室長は「大学改革の現状と産学連携への期待」で大学の組織的な産学連携の進展状況と今後の教育面への活用の期待を述べた。豊田教授は「組織的産学連携について-大阪大学の事例-」で産学共同研究と産学連携教育の大阪大での事例-産学連携は組織戦略型から共同での新分野開拓と人材育成のステージへ移っている-を紹介した。

三島教授が「経営者と話のできる研究者の育成:新しい博士後期課程の人材育成コース」で博士後期課程の教育で研究開発リーダーへのキャリアパスを拓く試みを行っている現状を報告。高木教授と大内教授は「鉄鋼に関する研究教育の活性化と人材育成を目指した鉄鋼リサーチセンターの設置」と「産業連携による先進鉄鋼研究教育センター開設の狙いと目的」をそれぞれ解説し、鉄鋼研究者の研究拠点を産学連携で構築しつつある取り組みを紹介した。

最後に井口泰孝教授(前座長:東北大)の、産学連携を有効活用し充実した研究成果、優秀な経営層の輩出を行い、21世紀も日本の鉄鋼業界が世界一の座を保持して行こう、という熱い言葉に満場の拍手が送られシンポジウムは終了した。

(フォーラム幹事 平塚 洋一)


日時:2006年3月23日(木)13:00~16:15
場所:第151回春季講演大会 第6会場(早稲田大学理工学部 53号館302教室)
主催:日本鉄鋼協会 社会鉄鋼部会 産学連携(F)フォーラム