2006年7月号
イベント・レポート
「第4回 産学連携学会」報告

産学連携学会の大会は今年で、第4回を数える。毎年、発表論文の数も増えている。今年の発表プログラムの特徴は産である中小企業の参加にとって有用となる産の現場に密着した内容、地方の学のありように焦点を当てた内容と言えよう。ちなみに今大会の一般講演のうち産の発表は16%となっているが、産学連携であるので、いずれにしても産が関与しているため、産が関連する内容は16%よりさらに多いと思われる。また、パネル展示、ランチョンセミナーも開催され、産学の情報収集の場とネットワーク作りの目的にかなっていたのではないだろうか。

開会式では文部科学省の研究振興局研究環境・産学連携課長 佐野 太氏の挨拶の中で、特に[1]国際競争力を持ち得る多様な人材育成の必要、[2]地方のイノベーションをどう創出するか、[3]今後、産学連携は量ではなく質の追求に焦点を当てるべきである、との話が印象に残った。産学連携学会は単なる学会でなく、学会の成果を外に発信していくことが重要であると、学会にエールを送られていた。15日の午後に開催されたシンポジウム「コーディネート活動の課題と役割」では、理系と文系融合型のコーディネート活動、つまり大学のシーズである科学技術と社会科学的見方(経済含む)で、コーディネート活動を行うことが重要で、どんな大学のシーズでもそれは宝でありイノベーションの可能性を持つ、従って目利きが非常に大事である、そしてコーディネート活動は知的財産にいかに対応していくかが重要であるとの発言がみられた。

写真1

シンポジウムの模様

2日目午後の一般発表論文の総括では、今回、具体的な産学連携の論文が多かったのは産学連携学会会員のそれへの関心の現れであるとの話があった。いくつかの今後の指摘もみられた。すなわち、[1]産学連携に関する諸項目について議論する場合、参加者の認識の差違もみられることからタームの定義を決めることが求められる、[2]産学連携の成功事例を出して産学連携の有用性を知らせるのがよいのでは、[3]産学連携の官の支援事業、例えば、文部科学省、経済産業省、NEDO、JSTなどの支援事業を分析し、かつ一覧のリストのようなデータベースを作成するとよい、を特筆したい。

同学会は梅雨のうっとうしい季節に開催されたが、会場内は熱心に耳を傾け、議論する参加者の熱気が伝わり、産学連携学会の今後の方向性と発展のありようを垣間見たものであった。 (本誌編集長 加藤多恵子)

日程:2006年6月15、16日
場所:コラボ産学官プラザ (東京都・江戸川区船堀)