2006年10月号
編集後記

4月から編集委員の陣容が変わり、編集委員会も私のような「留め置き組」には新たな刺激に満ちたものになっています。産学連携の現場経験者・現役担当者が多いためか、「編集」という目的を忘れて「産学官連携」の議論に没頭することもしばしば。話題は「わが国の産学官コーディネータはいかにして誕生したか?」「企業から見た大学知財本部のミッションは?」「地域における高専の役割は?」等々多彩です。「産学官連携」という言葉が世間で使われ始めて10年、話題も新局面を反映するもの、歴史をたどるものと幅が広がっています。産学官連携の活動に厚みが出てきたことの反映でしょうか。連携推進の飛躍を予感させる新編集委員会です。

(荒磯委員)

海は広いな、大きいな! 瀬戸内海の片隅に船を浮かべながら、一昼夜、学生や企業の方々と語り明かした。これから社会という大海原にこぎだそうとしている23人の若者たち。荒波にもまれ、立ち往生しそうになったとき、彼らが人生を切り開いていくための光を投げつづける灯台としての役目を果たし、それでも彼らが転覆しそうになったときは、いつでも寄港し、心を休め、再び大海にチャレンジできる、そんな温かい「母港」であり続けたい…。大学を単なる「研究者の楽園」ではなく、意欲ある学生の「巣立ちの場」として、これからどのようにしていけばよいのか-高等教育に携わる一人の大学人として、洋上事前講義を担当しながら、私自身、大いに考えさせられる経験であった。

(松澤委員)

10月号は特に多岐にわたる内容をお届けしています。

本ジャーナルは、「産学連携とMOT」を連載で掲載しております。本号の座談会記事では、日本型MOTに見られる問題点を、多角的な視点から忌憚(きたん)なく話していただきました。都市エリア型の取り組みでは、函館のイカ事業のプロジェクトを取材した記事を掲載しました。産学連携による研究開発と、それを支える地元企業の事業化意欲が成功をもたらしました。「産学連携と法的問題」では税の優遇制度について論じています。

9月に開催されたイノベーション・ジャパン2006のフォーラムでも、多彩な課題がみられました。秋風に身が引き締まる季節です。産学連携の記事もポイントをとらえた、締まった内容にしていく所存です。

(加藤編集長)