2007年5月号
産学官エッセイ
TAMA協会でのインターンシップ体験記
顔写真

沖 幸代 Profile
(おき・さちよ)

東京家政学院大学 家政学部
家政学科4年


若手人材事業の成果報告書の作成、理事会やコーディネータ会議への参加などを通じて仕事に対する姿勢を学んだ学生のリポート。

「今日からお世話になります!」 ~2度目のインターンシップ~

私が、社団法人首都圏活性化協会(TAMA協会)*1と出会ったのは、昨年の暮れあたり。大学で行われていたTAMA協会主催の就職相談会に顔を出したのがきっかけだ。バックオフィスの仕事がどんなものか知りたくて、2度目のインターン先を探していたころだった。大学3年の夏休みにホテルでのインターンを経験した私は、華やかな表舞台に立って厳しいプロの接客を学んだわけだが、それは仕事でいえばほんの一部分。働くうちに組織を裏から支えるバックオフィスの存在にあらためて気が付いた。

就職を前に仕事や働くことをイメージしようにも、実際はまだ社会に出ていないのだから分からないのが当たり前。だからこそインターンシップを利用して少しでもその実感を得て将来を考えたいと思い、飛び込んだ。

何のためにインターンをするのか

はじめは時期的にも期間的にも、就職活動や試験との両立ができるか不安もあった。しかし事務所に来るのが目的なのではなく、今ここでしかできない仕事を実際に体験することで、自分の幅を広げてほしい、楽しくやってほしい、とのインターンシップ受け入れ担当者の深い理解のもと、安心してインターンを続け、思う存分力を発揮することができた。

何のためにインターンをするのかという根本を共有できたこと、そのプロセスを踏めたことが、何より重要であった。それにこのインターンシップはまさに就職活動そのもの。自分は何がしたいのか、どんなことに向いているのか、どうして働くのか。まさに社会の現場で実体験からそれを考え、学ぶことができた。

自分のしたことが形になる! ~各種書類、報告書等の作成~
1. 若手人材事業成果報告書の作成
2. 大学での就職支援セミナーのチラシの作成
3. 学生用パンフレットの作成
4. 次年度事業への提案書の作成

今回私は、若手人材事業*2にかかわる実に多くの仕事をさせていただいたが、その中心となったのが成果報告書と学生用パンフレットの作成である。それまでTAMA協会が見落としがちであった学生の視点を活かし、読みやすさ・分かりやすさを考慮して全体のデザインやレイアウトを決めていった。誰のために、何のために、どうしてそれを作るのか。担当者と共にその目的を常に確認しながら作業を進めていったのだが、実際に自分のしてきたことが形になるというのは感動で、製本されたものを手に取った時の喜びは忘れられない。まさに仕事の醍醐味(だいごみ)を味わった。

しかしはじめから報告書の作成に取り掛かったわけではなく、最初はTAMA協会自体の事業内容を把握することから始めた。資料や書類を読み込み、それぞれの事業担当者にヒアリングをするなどして、若手人材事業以外のTAMA協会のバックグラウンドを学んだのである。そのおかげで、今まで知らなかった産学官金の連携事業や地域とのかかわり、企業のサポートといった分野の面白さを知り、それをその後に活かすことができた。

また、インターン中はいつもノートを持ち歩き、聞いたことや気付いたことはすぐにメモを取るよう心掛けた。そして自分で調べて生じた疑問や思いはそのままにするのではなく、納得するまで質問して理解する。そうして知る・分かるという過程を体験したことが、今度はどうやったら分かりやすく人に伝えられるか、伝わるか、という点で大いに役立った。

そして、ただ受け身でいるのではなく、自ら意見や思いを発信すること、ただ与えられた仕事をするだけでなく、自分で考えて提案すること、そうした問題意識・目的意識を持つと仕事はどんどん楽しくなる……その面白さをまさに体験、自覚した。一人の意見としてきちんとその思いを受け止めてくださったこともとても嬉しかった。

緊張の連続、そして度胸! ~各種会合への参加と発表~
1. 理事会、新春講演会、賀詞交歓会への参加
2. コーディネータ会議への参加
3. 中国人留学生事業(交流会)への参加と運営の手伝い
4. 評価委員会、成果報告会への参加と発表
5. ミニTAMA三多摩会・東部会合同例会、懇親会への参加と発表

今振り返ってみても、今回のインターンでは本当に数多くの現場を体験させていただいた。理事会にしても会合にしても、まさか自分がそのような場に参加できるとは思っていなかったため最初は驚いた。しかし何事も経験だ、と背中を押してさまざまな活動の場を与えてくださったおかげで、私はめったにない貴重な経験ができた。それまでの学生生活では味わったことのない緊張感と、目の前で議事が進行するという刺激を受け、その一つ一つが勉強になった。

しかも各種会合への参加のみならず発表の機会まで下さったことは、まさに感謝の一語に尽きる。大勢の人を前にしての発表は緊張で震えそうになったが、自分の言葉で成果を報告できたことは何よりも度胸がついたし、自信にもつながった。

おわりに~TAMA協会を通して出会ったすべての方へ~

約2カ月という限られた期間ではあったが、TAMA協会を通して実に多くの方々と出会うことができた。TAMA協会で働いている職員の方々をはじめ、各分野の第一線で活躍している企業、大学等の学術機関、TAMAコーディネータの方々、そしてさまざまな会合やイベント、企業訪問などでお話を伺った方、それに今まさにこのエッセイを読んでくださっているあなたもそうだ。私にとってそのすべてが掛け替えのない出会いである。

仕事に対する姿勢やその生き方・考え方・価値観といったものに、じかに触れ、吸収し学べたことで、自分自身、人間としても深みを増しさらに成長できたのではないかと思う。そうした良き「人」に恵まれ、本当に楽しく充実した日々を過ごせた。正直、期間中に辛いと思った記憶は一つも無い。就職活動のみならず、今後の自分の人生そのものに響く本当に意味のあるインターンとなった。最後に、お世話になった方々に心からの感謝を述べるとともに、頑張った自分にお疲れさま、と言ってあげたい。

*1社団法人首都圏活性化協会(TAMA協会)
経済産業省の推進する産業クラスター計画の推進組織として、首都圏西部地域(TAMA地域:埼玉県南西部、東京都多摩地域、神奈川県中央部地域)における中堅・中小企業の産官学連携や産産連携の推進、販路拡大、海外展開サポート等の事業支援を行っている公益法人。

*2若手人材事業
経済産業省の委託事業である「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」。本事業は平成18年度に全国18のコーディネート機関に委託して実施された。TAMA協会では、若者と企業とのコラボレーションをメインとして、本事業を実施した。