2007年10月号
イベント・レポート
UNITT2007 第4回産学連携実務者ネットワーキ
ング
「共同研究プロモーション」など多様なテーマで意欲的
な議論

大学知的財産本部やTLO(技術移転機関)で構成する大学技術移転協議会が9月7日、8日に「第4回UNITT(産学連携実務者ネットワーキング)」を早稲田大学(東京都新宿区)で開催した。台風の影響で交通機関が大きく乱れたにもかかわらず、500人近い産学官連携の実務者が集まり、熱心な事例発表や意見交換が繰り広げられた。

全体会議の「大学技術移転サーベイ」では、大学技術移転協議会が知財本部とTLOを網羅して初めて実施した実態調査の結果と分析が報告された*1。米国等との国際比較を念頭に置いた調査で、2005年度に知財本部とTLOが得た正味のライセンス収入が10億7,183万円だったことや、米国と比べ、件数における独占的なライセンスの割合はほぼ同じだが、ライセンス収入に占めるランニング・ロイヤルティの割合が低いことなどが判明した。

報告を受けた討論では、「特許出願では、米国が20年かけたところを日本は5年で達成しており、爆発的な増加傾向である」「これから知財本部やTLOの成果が現れるところであり、政府支援が継続され、縮小均衡にならないことを望む」「組織の平均値だけをみるのは、組織間のばらつきが大きいため、誤解を生じかねない。大学の規模や都市部・地方部の違いを考慮した分析をすべき」等の意見が上がった。

写真

UNITT2007の会場風景

全体会議の後は、3つの会場に分かれ、「共同研究プロモーション」「技術移転の成功事例&失敗事例」「発明承継プロセス」等の多様なテーマで意欲的な議論が次々に展開された。「特許基礎講座」等の研修的な色彩の濃い内容や、「若手アソシエイトの教育」のように人材育成の手法やあり方についても盛り込まれた。

全体を通して、地方大学や小規模組織の産学連携活動がテーマになったように参加者の裾野が一段と広がっている印象を受けた。また、過去に取り上げられたテーマと同一であっても現実味が増し、深耕された質疑応答があちこちでみられた。

大学技術移転協議会は、来年以降も内容を拡充しながらUNITTを継続していく計画である。

(伊藤 伸=農工大ティー・エル・オー株式会社 代表取締役社長)

*1
実態調査の詳細結果は、「大学技術移転サーベイ 大学知的財産年報2006年度版」として社団法人発明協会から発刊されている。

UNITT2007第4回
産学連携実務者ネットワーキング
日時:平成19年9月7日(金)~9月8日(土)
会場:早稲田大学(東京都新宿区)
主催:有限責任中間法人 大学技術移転協議会