2007年11月号
特集  - 中小企業の技術・経営をお手伝い
大学技術移転協議会がインターネット上で中小企業対象に大学の技術シーズに関する相談窓口を
開設
顔写真

福田 猛 Profile
(ふくだ・たけし)

有限責任中間法人 大学技術移転協議会
事務局長


大学知財本部やTLO(技術移転機関)で構成する大学技術移転協議会は2007年4月からインターネット上で、大学の技術シーズに関する相談窓口を開いている。どの大学に希望する技術シーズがあるか分からないという中小企業の声に応えるものだ。

大学知財本部やTLO(技術移転機関)で構成する有限責任中間法人大学技術移転協議会*1(以下、協議会)は2007年4月1日からネット上で、大学の技術シーズに関する相談窓口を運用している。「産学連携を進めたいが、どの大学に希望する技術シーズがあるか分からない。たくさん回る余裕もない」という中小企業の声に応え、企業のニーズと大学の技術シーズをマッチングさせるものだ。

手順は次の通り。協議会のホームページを開き、「技術ニーズお問い合わせ」窓口から会社名、部署、氏名、メールアドレスなどとともに問い合わせの内容を500字以内で書き込む。この内容が事務局を経由して70を超える全国の会員機関に開示される。回答する会員は、いったん事務局へ送り、事務局からその企業へメールで回答を送付する。書き込まれた相談内容だけを会員に開示するので、企業名を「内容」欄に記入しなければ、会員にも当該企業が分からないシステムだ。

12の会員からレスポンス

実績はまだお知らせできないが、相談にどの程度の反応があったかについて、会員専用ホームページでの例証がある。ある疾患の治療・診断薬のライセンシングに関する相談があり、企業名も公開してよいという条件なので、お問い合わせ窓口を使わず、直接会員専用ホームページに掲示したところ、「12機関の会員からレスポンスがあり、そのうち3件では技術情報の提供があった」とその企業から教えていただいた。問い合わせ1件に対して期待される会員からのレスポンスの目安と考えられる。

この「窓口」開設の企画段階から、いろいろな方々に面白い試みであるとの評価をいただいている。ある中小企業支援会社から、その会社サイトへのリンクの申し出があったが、広く日本の企業全体へ開かれているべきだと考えてお断りした。大学知財本部やTLOが各自のホームページで同様な「窓口」を開設している例は少なくない。協議会の「窓口」は、どの大学やTLOの窓口に相談するのか決まっていない企業が利用することになるので、各大学・TLOの「窓口」と競合するのではなく、その補完になると考えている。日本のイノベーションに不可欠な産業界と大学・研究機関との連携の機会を増やすことがこの「窓口」の役割である。

この窓口については日本経済新聞(6月26日付朝刊)に掲載された。また、大学技術移転に関わる諸機関へお知らせしている。しかし、肝心の企業、中でも中小企業の皆さまへの浸透は不十分。今後はこの点の改善に力を入れていこうと考えている。

*1有限責任中間法人 大学技術移転協議会
http://www.jauiptm.jp/