2008年2月増刊号
特集  - 地域のイノベーションを支援する各省の新年度予算
環境省
地域を中心とした科学技術に関する取り組み 「低炭素」「自然共生」「循環型」関連の取り組みに注力

山根 正慎 Profile
(やまね・まさのり)

環境省総合環境政策局
総務課環境研究技術室
室長補佐


地球温暖化をはじめとする環境問題については、国内外を挙げて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ日本として貢献するための指針として、平成19年6月に「21世紀環境立国戦略」を閣議決定した。環境省では、この「21世紀環境立国戦略」に基づき、「低炭素社会」「自然共生社会」および「循環型社会」の構築に向けて、世界から地域までの広い視野の下に、強力に取り組んでいるところである(図1)。

産学官連携による技術開発基盤整備

環境省における平成20年度科学技術関係予算案では、約331億円の予算案となっており、前年度に比べ約16億円の増となっている。この中でも特に、地球環境総合推進費、温暖化対策技術開発事業等の低炭素社会の実現に資するための経費に重点化した予算案となっている(図2)。

環境省では、地域における科学技術に関する取り組みとして、先の「21世紀環境立国戦略」に基づき、環境保全に関する意欲と能力溢れる豊富な人材を活かし、各地域の環境保全活動の輪を全国に広げ、力強く後押しすることにより、地域が持つ本来の力が十分に発揮された元気な地域社会の実現を目指している。

具体的な取り組みとしては、平成19年度より開始した「地域の産学官連携による環境技術開発基盤整備モデル事業」が挙げられる。本事業では、地方環境研究所が中核となり、地域の技術シーズを活かした産学官連携による地域の環境問題解決と、地場産業振興を同時に図るものである(図3)。

平成19年度の取り組み例としては、愛知県において住宅等建築材料開発の支援を実施している。愛知県環境調査センターを中核に、愛知工業大学工学部、トヨタT&S建設株式会社が連携し、循環型社会実現のため、地場産業である瓦の製造過程で発生する不良品をリサイクルし、建設材料等として有効利用するための手法の開発を行っている。他に2案件を実施しており、本事業では、平成20年度の予算案では44百万円の規模で研究開発を推進することとしている。

共同研究プロジェクト等を募集

また、環境省では社会的要請等を踏まえ、優先的に開発するべき環境技術分野を特定し、国立試験研究機関、独立行政法人および民間企業等から研究・開発課題を公募し、研究等に要する費用を助成し、環境研究・技術開発の推進を図る環境研究技術開発推進費(競争的資金)に取り組んでいる。この環境技術開発等推進費では、特に地域の独自性・特性を活かした研究開発を支援するため、平成20年度より「地域枠」を設け、総合科学技術会議連携施策群「地域科学技術クラスター」対象施策の成果である技術シーズや、地域の公的試験研究機関等が連携を図る共同研究プロジェクト等を募集・実施することとしている(図4)。

環境省では、平成20年度にこれらの取り組みを含め、地域での産学官連携の取り組みに対し、継続的に支援していくこととしている。