2009年12月号
巻頭言
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福田 富一 Profile
(ふくだ・とみかず)

栃木県知事




産学官連携がプロジェクト推進の鍵

わが栃木県は、首都東京から60~160kmの範囲に位置し、東北縦貫自動車道や東北新幹線での高いアクセス性に加え、1950年代後半より進めてきた工業化政策により、大手優良企業が多数立地するとともに、優れた技術を持つ中小企業が集積する全国的にも製造業のウエートが高い「ものづくり県」となっています。

本県においては製造業が県経済を牽(けん)引する大きな役割を果たしておりますが、国際化の進展や地域間競争の激化による国内工場の再編等が進んでおり、本県産業の競争力強化と地域経済の活性化を図るためには、従来の総合的な取り組みに加え、本県の産業集積等の強みを活かした新たな産業振興施策が必要となってきました。

このため本県では平成19年度から「とちぎ産業振興プロジェクト」に着手し、産学官の有識者により構成される「とちぎ産業振興会議」からの御提言を踏まえ、県が重点的に振興を図る産業分野として「自動車」「航空宇宙」「医療機器」「光」「環境」の5つを指定し、産学官のネットワークの構築をはじめ、中小企業の技術力等の向上やニーズにマッチした人材の育成・確保、既存企業の定着促進と関連企業の進出による集積の促進等により、本県産業のさらなる振興を図っております。

まず「とちぎ自動車産業振興協議会」および「とちぎ航空宇宙産業振興協議会」においては、大手企業から生産工程管理・品質管理等のノウハウを学ぶ現場改善研修や工場見学会、大手企業等への販路開拓に向けた技術交流展示会等の実施、国内各地で開催される展示会への出展等を通じ、自動車、航空宇宙産業の振興を図っております。

また「とちぎ医療機器産業振興協議会」においては、医療系3大学との医工連携による新製品開発等の推進、「とちぎ光産業振興協議会」においては、わが国唯一の光学に関する教育研究拠点を有する宇都宮大学との連携など、各分野ともそれぞれの特長を活かした取り組みを実施しております。環境産業についても、年度内のネットワーク形成に向け、現在、準備を進めているところであります。

プロジェクトも開始から3年目を迎え、産学官ネットワークにより着実な成果が出ている現場改善などの取り組みがある一方、研究開発など緒に就いたばかりの取り組みもあります。それぞれのネットワークの取り組み内容はさまざまですが、産学官連携がプロジェクト推進の鍵を握っているのは間違いありません。今後とも、産学官が一体となってプロジェクトを推進し、本県産業のさらなる振興に努めて参りたいと考えております。