2010年2月号
巻頭言
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飯泉 嘉門 Profile
(いいずみ・かもん)

徳島県知事




産学官連携による経済飛躍

徳島県は、県内総生産の最も大きいウエートを製造業が占め、海を挟んで近畿という大規模経済圏に隣接する立地を活かして古くから「ものづくり」が盛んであり、産業構成においても、第1 次、第2 次産業が高い割合を示しています。

本県においては、豊富で新鮮な農林水産物の生産に加え、医薬品製剤、LED、リチウムイオン電池等世界有数のメーカーの大規模生産拠点が存在し、それを支える大学、研究機関をはじめ地域金融機関等とともに、現在産学官連携体制が構築され、県内経済の発展に大きな役割を果たしています。

しかし、急速に進むグローバル化の中で、企業が国際競争力を高め持続可能な経済成長を実現するためには、産学官の連携による研究開発をはじめ地域における科学技術の振興を一層推進することが極めて重要であります。

こうした中、平成20 年12 月に本県科学技術振興の羅針盤となる「徳島県科学技術振興計画」を策定しました。この計画では、糖尿病の克服とともに健康医療関連産業の集積を図る「ヘルステクノロジー」、21 世紀の光源であるLED 関連産業を集積しLED バレイ構想の実現を図る「LEDテクノロジー」、農林水産物を活用した農商工連携を図る「フードテクノロジー」、リチウムイオン電池など次世代エネルギーの活用を図る「エネルギーテクノロジー」の4 分野を戦略的推進分野と定め、「オンリーワン・サイエンステクノ立県」の実現を目指しており、計画の鍵を握るのは、産学官連携であります。

具体例としては、ヘルステクノロジー分野では、昨年7月に文部科学省の「知的クラスター創成事業」の採択を受け、この事業を強力な推進エンジンとして、徳島大学や県内企業を中心とした強固なスクラムのもと、「世界レベルの糖尿病研究開発臨床拠点」の形成を推進しています。

また、そのほかの推進分野でも、大学などが持つ技術シーズや知見を活かし、産学官連携のもと「技術セミナー」や「LED 放熱対策」「次世代エネルギー活用」「地域資源循環型ビジネス」等の研究会の開催、科学技術振興機構(JST)との共同研究などを通して、新たなものづくり産業の創出を積極的に展開しているところであります。

「百年に一度」と言われる経済危機の中、本県経済が将来にわたり成長していくためには、これまで蓄積してきた「資本」「人材」「技術」などの中から、新たな発展に必要な要素を選びそれを着実に活かして、産学官がより機動的に連携しながら成長の芽を伸ばし、優位性を確保していくことが重要であります。今後ともこうした取り組みを一層に進めていくことにより、経済飛躍へとつながる地域産業の活性化を進めてまいりたいと考えております。