2010年10月号
特集2  - 読むヨーグルト
広島大の技術による植物乳酸菌ヨーグルト

児玉 克憲 Profile
(こだま・かつのり)

高原安瀬平乳業有限会社
代表取締役

広島県三次市の高原安瀬平乳業が今春売り出した植物乳酸菌ヨーグルトは、広島大学の杉山政則教授の特許を活用している。

当社(高原安瀬平乳業有限会社)は、沖縄産パイナップルを乳酸菌増殖剤として使用した植物乳酸菌ヨーグルトの新製品を2つ、今春、売り出した。広島大学大学院医歯薬学総合研究科の杉山政則教授の特許を活用した。

チーズづくりのノウハウ生かす

当社は平成4年創業のヨーグルトとプリンのメーカーである。私はもともとチーズづくりを目指して修業したが、平成の初めはチーズの販売を取り巻く環境が厳しかったので、ヨーグルトで事業を起こした。それまでのチーズづくりで習得したノウハウも取り入れた独自の製法である。当時、当社の製品を検査したら、ヨーグルトの一般的な基準を大幅に上回る乳酸菌の数を確認した。そのころから特徴のある製品づくりを心掛けるようになった。

パイナップル果汁が増殖促進

平成21年春、当社を訪ねて来た広島大学の杉山政則教授と産学連携センター(現、産学・地域連携センター)の方に、初めて植物乳酸菌の話を聞き、とても興味を覚えた。杉山教授は乳中でほとんど培養できない植物由来の乳酸菌を、酒かすで増殖し、平成16年、乳業会社と世界初の植物乳酸菌から生まれたヨーグルトを開発し、売り出している。今回、杉山教授は沖縄県産パイナップル果汁に植物乳酸菌の増殖促進能力があることを発見し、特許を出願されている。当社が活用しているのはその技術だ。

昨年9月、当社は大学に植物乳酸菌ヨーグルト製造の意思を伝え、10月に契約した。11月からは社員1人を大学に派遣し、研修をさせた。この乳酸菌は牛乳だけではつくれない。植物の果汁、中でもパイナップル果汁が1番相性が良く、一般的な乳酸菌ヨーグルトに比べ10倍以上の菌数を確認できた。乳酸菌の製造は大学の指示通りに行い、ヨーグルトの製造については当社の判断で進めている。

自然の環境に近いつくり方
写真

あせひらヨーグルト(左)とドリ
    ンクヨーグルト(右)

乳酸菌について、また、乳酸菌を安定させる方法などについて大学から学んだ。その製造には、いろいろな方法がある。当社独自の製法をベースに、乳酸菌を増殖するためのつくり方を工夫し、自然の環境に近いつくり方を採用した。このことがうまく進み、短期間での製品開発に結び付いたと思っている。

売り出した製品の名称は「あせひらヨーグルト(P・ペントサセウスLP28)」と「あせひらドリンクヨーグルト(L・プランタルムSN13T)」。販売は地元の広島県内から始め、九州などで良く出ている。現在は、関西での販売に力を入れている。