2010年12月号
特集1  - 知りたい四国
歩行者信号機用LED電球の開発
顔写真

久米 徳男 Profile
(くめ・とくお)

日本フネン株式会社
代表取締役社長


十分に使用可能な信号機本体をそのまま生かし、電球を取り換えるだけでLED信号機に変えることができるLED電球を日本フネン株式会社は徳島県警察本部、徳島県立工業技術センターと共同開発した。

当社はマンション、ホテル等に用いるドア製品を主力とし、培った技術やノウハウをベースに、窯業製品、環境製品、LED製品といった新しいビジネスフィールドへも積極的にチャレンジを続けている。社訓「創造、革新、挑戦」は、研究開発型企業として「ものづくり」への探求心と情熱を持ち続ける当社の基本姿勢であるとともに、今日までの成長を支えてきた原動力でもある。社訓とともに、立ち止まることなくポジティブに、無から有を生み出す喜び・感動を追い求め続けている。

高くない普及率
写真1

歩行者信号機

信号機は、白熱電球式からLED式に変わりつつあるが、徳島県内のLED式信号機の整備率(2009年3月末時点)は、車両用33%、歩行者用5.2%であり、全国で見てもそれぞれ19.2%、13.9%と、あまり普及がなされていないのが現状である。

LED式は、信号機本体を新規に設置しなければならないので多大な経費がかかること、白熱電球式の信号機本体はアルミ製で耐候性に優れ、長寿命であること等がその普及を阻害していると思われる。

そこで、まだ十分に使用可能な信号機本体をそのまま生かし、電球を取り換えるだけでLED信号機に変えることができる歩行者信号機用LED電球を、徳島県警察本部、徳島県立工業技術センターと共同開発した。

本製品に交換することで得られる省エネルギー効果はもとより、十分に使用可能な信号機本体を廃棄することなく有効利用することができ、環境負荷の低減、低炭素社会に向けた省エネルギー対策として極めて有効だと考えている。

開発経緯
LEDバレイ構想への参画
当社は2004年よりLED照明分野に参入し、徳島県LEDバレイ構想の1企業として参画している。

徳島県立工業技術センターとの経緯
2005年より、自社商品群に付加価値を付けた玄関用LED照明やLEDランプなどを徳島県立工業技術センターと共同開発してきた。

徳島県警察本部との経緯
2009年春、白熱電球の代替光源を検討していた徳島県警察本部より、歩行者信号機用LED電球の開発要望を受けた。

共同開発スタート
2009年夏、徳島県警察本部、徳島県立工業技術センターと共同開発をスタートさせた。

開発過程におけるそれぞれの役割
徳島県警察本部
信号機に関する情報を提供するとともに、試験評価を終えた試作品を実際の交差点に設置し、フィールドテストを行い、製品の安全性および信頼性を評価した。

徳島県立工業技術センター
光に関する測定、本製品の基本性能評価を行った。また、信号機に関する性能試験を実施し、数値化した評価を行った。

日本フネン
製品開発の主体を担当し、構造や要求性能を確認しながら製品開発・試作を行った。

製品化に向け、技術的課題をどう解決したか
課題
一般に市販されているLED電球と同じ構造では、光源が平面上の基板に並んでいるため前方向の指向性が強く、信号機表面を均一に明るくすることができなかった。

解決方法
光が拡散するように複数個のLEDを配置し、反射板を有効に利用することで、信号機表面を均一に明るくすることを可能にした。

製品の特徴

製品の特徴は、次の6つである。

・消費電力の削減が可能(消費電力:白熱電球の10分の1)
・交換作業費の削減が可能(寿命:白熱電球の10倍)
・特別な工事が不要(既存機の電球交換のみ)
・良好な視認性(信号点滅がはっきり)
・全消灯しない安全回路設計
・熱焼けしない(フィルターを傷めない)

ビジネス展開の展望
写真2

産官連携スキーム

当社が製造、県外企業の販売網を活用し、全国に展開を図る。また各種展示会にも積極的に出展し、警察関係者はじめ関連業者へのPRも行う。

本製品は2010年末より生産を開始しており、本年度内には月産2,000個の生産体制を整備し、本格的に稼動する。年度内には、徳島県警察本部に約1,000個を納入予定である。

引き続き、徳島県をはじめ全国自治体等より年次単位で安定的な受注確保を目指し、販促活動を展開していく。