2010年12月号
特集2  - 第2回イノベーションコーディネータ表彰
イノベーションコーディネータ賞・若手賞
隅田剣生氏
新しい価値観をつくるアントレプレナー
顔写真

隅田 剣生 Profile
(すみた・けんせい)

大阪大学 産学連携推進本部
総合企画部 産学連携准教授


●受賞理由
企業化シーズを発掘する「ベンチャーサポートプログラム」を企画・開催して数多くの企業化を実現し、阪大発ベンチャーの設立に大きく貢献しただけでなく、コーディネート人材の発掘・育成も主導的に行っている。

大学において、企業化支援・ベンチャー支援は批判も多く、肯定的意見が少ない中、これまでの活動が評価されたことに関して、関係者一同大変喜ばしく思っているところである。また、今年度から若手枠が設けられ、3名が受賞となり、若手コーディネータにとって1つの指標ができたと思っている。

コーディネータは裏方として活動する役目であるが、研究者や企業の指示を受けて活動するのではない。自らが企画、主導し、リスクを負って事業をつくるという覚悟をもって取り組まないとイノベーションコーディネータとは言えないと思う。アントレプレナーは、「既存の価値観を変えて新しいことを行う者、イノベーションを行う者」と定義されている。言うまでもなく、ベンチャー企業家だけがアントレプレナーではない。あらゆる分野で新しい価値観やモデルをつくる者がアントレプレナーであり、その観点からすると、前回、そして今回受賞されたイノベーションコーディネータは、皆、アントレプレナーであろう。

私の受賞理由はコーディネート人材の発掘・育成の中身であるが、新しいことに取り組みたい人材を集め、チームとして活動しつつも、各人がプロジェクトの戦略および計画を立案し、自分自身で意思決定するように務めてきた。これらの行為を繰り返し行うことが、アントレプレナーの養成になると考えている。私自身、この約7年間で、考え方や精神面がかなり変わった。

イノベーションの基盤をつくる

イノベーションを1人で実現することはできない。大学、大企業、ベンチャー企業、公的機関等さまざまな分野のアントレプレナーたちと協働することが、大きなイノベーションを興すための条件である。今回の受賞を通して多くのアントレプレナーたちと出会う機会を得ることができると同時に、これからもコーディネート人材の発掘とアントレプレナー養成を行うことで、イノベーションの基盤をつくっていきたいと考えている。そして、さまざまな分野のアントレプレナーたちと協働して、閉塞した社会に立ち向かっていきたい。