2014年11月号
特集 - 医療機器開発 医工連携の課題
静岡県:ファルマバレープロジェクト
ワンストップ支援の新拠点整備へ

梅藤 久人 Profile
(ばいとう・ひさと)

静岡県 経済産業部 商工業局
新産業集積課 課長


医療機器の生産額が全国1位の静岡県では、東部地域を中心に「ファルマバレープロジェクト」が進められている。「世界一の健康長寿県の形成」を基本理念とし、「ものづくり」など四つの戦略を展開している。

静岡県は、豊富な水資源や交通利便性等を背景とした多くの医薬品、医療機器の生産施設が立地しており、国内有数の医療健康産業の集積地である。2012年の静岡県の医薬品・医療機器の合計生産額は1兆円に達し、3年連続で全国1位となった。特に医療機器の生産額はこの5年間で2倍に増加し、4年連続で全国1位である。

この中で重要な役割を果たしているのが、静岡県が東部地域を中心に推進しているファルマバレープロジェクトである。

このプロジェクトは、2002年の静岡県立静岡がんセンター開設を契機にスタートした。「世界一の健康長寿県の形成」を基本理念とし、静岡がんセンター、公益財団法人静岡県産業振興財団ファルマバレーセンター(以下「PVC」)を中心とした産学官金の連携体制を構築し、「ものづくり、ひとづくり、まちづくり、世界展開」の四つの戦略を展開している。

研究から製造販売までの機能を集約

現在、静岡県では、プロジェクトのさらなる躍進を目指すため、医薬品・医療機器等の創出と企業参入を戦略的に仕掛け、地域企業等の研究から製造販売までに必要となる機能を集約させた新拠点施設を整備している。

この施設は大きく三つのエリアに分けられる。一つ目のリーディングパートナーゾーンは、高度な技術シーズによる研究開発等を進めながら地域企業への支援を積極的に行い、プロジェクトの推進に協力・貢献する機関が活用するもので、テルモ株式会社が入居する。二つ目の地域企業開発生産ゾーンは、地域企業が事業拡大のため製品開発から小規模生産まで柔軟に使用でき、東海部品工業株式会社が入居する。三つ目のプロジェクト支援・研究ゾーンへは、PVCが移転するとともに、比較的小規模の研究室や知財・薬事等のコンサルタント、販売会社等が入居可能なレンタルオフィスを整備し、2015年度に募集する予定である。この新拠点施設により、ワンストップでの支援体制を構築するとともに、オープンイノベーションが起こりやすい環境を整え、静岡県の医療健康産業のさらなる活性化を図っていく。

静岡県立静岡がんセンター