2014年11月号
特集 - 医療機器開発 医工連携の課題
群馬がん治療技術地域活性化総合特区
医療産業参入への動き活発

大澤 伸一郎 Profile
(おおさわ・しんいちろう)

群馬県 産業経済部 産業政策課
先端医療産業室長


最先端のがん治療技術である重粒子線治療を中核とした「群馬がん治療技術地域活性化総合特区」では、医療産業拠点の形成を目指している。

群馬県では、2013年9月に県全域が「群馬がん治療技術地域活性化総合特区」に指定された。現在、最先端のがん治療技術である群馬大学の重粒子線治療技術の高精度化事業を中核に、「がん医療研究開発拠点」、「がん医療人材育成拠点」および「医療産業拠点」の形成に向けた取り組みを展開している。

群馬大学が中心となって進めている重粒子線治療技術の高精度化事業では、国の支援を受け、炭素イオンビームを1mm以下の精度で制御できるマイクロビームサージェリー技術の開発の他、重粒子線の同時照射が可能な次世代型の高速電子線CT等の開発が進められている。この事業には県内ものづくり企業も主要部分の開発に参加しており、本県の医工連携・医療機器産業振興のシンボル的な意味合いも持つ事業といえる。

中小企業の参入機運高まる

この他「医療機器の開発」や「医療機器産業への参入」を目指す県内企業への支援のため、行政、産業支援機関、金融機関、医療機関、大学・研究機関が連携して、①医療現場のニーズと企業とのマッチング ②企業と医療機器メーカー等との事業マッチング ③これらの企業と大学・医療機関等による製品開発コンソーシアムの形成支援を行っている。さらには、医療機器開発等のワンストップ相談窓口として「ヘルスケア機器開発支援センター」を県に設置し、関係機関と連携した伴走型の支援や専門コンサルタントの派遣事業も開始した。

このような取り組みを反映して、県内中小企業の医工連携による医療機器産業参入の機運が高まり、国・県の競争的資金獲得においても医療機器開発に関する案件の採択件数が大きく伸びている。特区指定を契機に本県においても、中小企業による医療産業参入への動きが活発化しており、本県が目標とする「医療産業拠点」の形成に向けて動き出した手応えを感じている。今後も引き続き総合特区制度のメリットを生かして、こうした県内企業の動きを拡大していきたいと考えている。

群馬がん治療技術地域活性化総合特区