2018年3月号
特集 - 産学連携に関する平成30年度予算
文部科学省
オープンイノベーション加速に向けて
─産学官連携施策および地域科学技術の振興─

文部科学省
科学技術・学術政策局
産業連携・地域支援課


近年、産業構造は資本集約型から知識集約型に大きく変化しようとしており、産業界において、オープンイノベーションを本格化させようという動きが活発になりつつある。これまでの産学連携は大学と企業の研究開発部門との協力が主であったが、産業界では、研究開発部門のみならず製造部門・事業部門も含めた各階層で大学との連携を行うニーズが高まっている。

一方、大学や国立研究開発法人は、そういった企業の事業戦略に深く関わる研究開発を組織的に実施できるような体制がまだ十分に整っていない。

従って文部科学省では、来年度から新たに大学内において競争領域に重点を置いた大型共同研究を集中管理する体制(オープンイノベーション機構)の構築を支援する。

オープンイノベーション機構

オープンイノベーション機構の整備では、大学における活動を、企業の事業戦略に深く関わる競争領域まで機能を拡張するため、①プロフェッショナルな人材(クリエーティブ・マネジャー)による集中的マネジメント体制の構築、②優れた研究者チームの部局を超えた組織化を行う大学を支援し、支援終了時には同機構がマネジメントする共同研究の間接経費や特許実施料収入等を基に、一定程度の自立的経営を目指す。

また、特に地方においては、人口減少と高齢化という課題に直面している中で、地域内の経済の活性化を図ることはさらに必要になってきている。

文部科学省では、これまでも「地域イノベーション戦略支援プログラム」など、地域の発展ビジョンと主体性を重視した施策を通じて、地域科学技術イノベーションの創出に取り組んできたが、社会的なインパクトの大きい事業化の成功モデルを創出する支援が不足していた。

従って、地域が持つ強みを生かした科学技術イノベーションを推進し、新産業・新事業の創出を図ることにより、グローバルな展開も視野に入れた日本型イノベーション・エコシステムの形成を目指すため、平成28年度より、「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」を開始しており、平成28年度は4地域、平成29年度は10地域が採択され、各地域で大学等の研究成果を事業化につなげる活動が展開されている。

平成30年度についても、さらに事業を拡大し、これまで以上に、科学技術を活用した地域発のイノベーション創出を推進する。

地域イノベーション・エコシステム形成プログラム

地域イノベーション・エコシステム形成プログラムでは、地域に存在するコア技術を事業化につなげるため、大学等の研究機関と自治体が推進するプロジェクトに対し、①知的財産や市場環境の調査を含む、事業化を推進するプロジェクトチームのマネジメント活動、②事業化に向けて必要となる研究開発、③持続的にイノベーションが創出されるための仕組み作りを支援し、終了時にはベンチャー企業の創出等、次の活動資金を調達できる状態を目標に地域での成功事例の創出を目指す。