2018年3月号
特集 - 産学連携に関する平成30年度予算
環境省
環境研究・技術開発の一層の推進に向けた取り組みについて

環境省
大臣官房総合政策課
環境研究技術室


環境省の科学技術関係予算

今日の環境問題は、人類のあらゆる社会経済活動から生じ得る、多様で複雑なものとなっている。一方でわが国は、経済成長のみならず地域活性化、少子高齢化への対応、国土強靱(きょうじん)化などの経済・社会の諸課題を解決する必要がある。環境上の諸課題に取り組むことで経済・社会上の諸課題も同時に解決し、将来にわたって質の高い生活をもたらす、持続可能な社会を実現する「新たな成長」のけん引力となる。環境省では、このような考え方に立ち、環境研究・技術開発を進め、地球温暖化対策、自然共生社会の構築、循環型社会の形成等の循環共生型社会の構築や東日本大震災からの復興・創生などの施策を展開していく。

環境省(原子力規制庁分を含む)における平成30年度科学技術関係予算案については、図1のとおり、総額約1,470億円となっている。震災対応に係る科学技術についての予算(復興庁一括計上分)での科学技術関係予算が減少しているが、一般会計やエネルギー起源CO2排出削減に係る科学技術についての予算(エネルギー対策特別会計分)での科学技術関係予算は増額したため、科学技術関係予算総額が前年度比8.2%の増額となっている。

図1 環境省 平成30年度科学技術関係予算案の概要

環境研究総合推進費*1について

環境研究総合推進費(以下「推進費」)は、環境省が必要とする研究テーマ(行政ニーズ)を提示して公募を行い、広く産学官民の研究機関の研究者から提案を募り、外部有識者で構成される評価委員会および分野ごとの研究部会の審査を経て、採択された課題を実施する環境政策貢献型の競争的資金である。持続可能な社会構築のための環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積および技術開発の促進を目的としている。

推進費については、平成28年10月1日より、それまで環境省で行っていた一部業務が、独立行政法人環境再生保全機構(以下「機構」)に順次移管され、新規課題の公募および審査、研究費の配分・契約、中間・事後評価等の業務を機構において行っている。なお、推進費の基本方針の検討・策定、環境省の行政ニーズの策定・提示、環境政策への活用および推進費制度全体の管理・評価については、引き続き環境省で実施している。

研究対象領域は、「環境研究・環境技術開発の推進戦略について」(平成27年8月中央環境審議会答申)の構成に沿って、統合領域、低炭素領域、資源循環領域、自然共生領域、安全確保領域の5領域であり、平成29年度は140課題および戦略的研究開発を5プロジェクト実施している。

推進費の公募スケジュールについては、図2に示す通り、例年10月から約1カ月間の公募期間の後、書面・ヒアリング審査を行い、2月頃に採択課題が決定する。採択された場合は4月から研究が開始できる。

図2 環境研究総合推進費の公募スケジュール

環境省では推進費による研究成果の環境政策への一層の貢献を図るべく、制度の基本方針の検討・策定、行政ニーズの策定・提示、環境政策への活用および制度全体の管理・評価について強化を図っていくとともに、引き続き産学官連携の研究開発を促進していく。

*1
環境研究総合推進費
・環境省「環境研究・技術 総合情報サイト」:
http://www.env.go.jp/policy/kenkyu/
・環境再生保全機構「環境研究総合推進費」:
http://www.erca.go.jp/suishinhi/