2019年1月号
視点

「商品」を世の中に出すということ

宮崎県に来て4年目を迎えた。ここで、ゼミの実践活動の一環として、地元の食品製造企業と連携し、新しい商品を生み出すことができた。具体的には、学生に対して、商品の試食も含めたマーケティング調査を行い、集計データを企業側に提供した。企業側では、これらのデータを新商品のパッケージやフレーバーなどに反映させ、ラインアップになかった箱入りタイプのお菓子を開発した。

これまでは、コーディネーターとして、どちらかというと裏方の側面支援に関わってきた。コーディネーターがプレーヤーになって動くことで、可能になる連携もたくさんあるのだが、今回、学部教員として、より主体的に産学連携に関わることができた。

新商品には、商標登録されている学章がシールとして貼られ、「地域資源創成学部と連携して誕生したお土産」という文言も付け加えられた。商標のライセンシングは、やや月並みになった連携内容ではあるが、コーディネーター出身教員として、少しは「らしい」活動ができたのではないかと思う。

大学での学びから、新しい商品を世の中に出すことは、学生の自信にもつながる。実践活動は試行錯誤の連続ではあるが、一つの「カタチ」として生み出したことを糧に、これからも精進していきたい。

(丹生 晃隆 宮崎大学 地域資源創成学部 准教授)

大学の地域貢献:学生の地域活動への参加を促すには

先日、公立大学関係者による意見交換の場に参加する機会があった。大学の地域貢献について意見を交換した際、自治体や地域団体から寄せられる、地域課題の解決に向けた諸活動に関する要請に、大学はどこまで応えるべきか、という問いは、各大学に共通する悩みだと感じた。本学でも地域活動への参加の呼び掛けに応じるかどうかは、学生自身の主体的な判断に任せざるを得ない。しかし、その取り組みが学生の教育・研究に資する活動につながるものであるならば、大学として積極的な参加を呼び掛ける、あるいは単位修得に直結する活動として参加を促すといった姿勢で臨むこともあり得る。高知県でも、中山間地域の獣害対策、中心商店街の活性化など、いずれも地域に入らなければその課題を知ることはできない。しかし、地域に入るすべを自主的に得ることは多くの学生にとって難しいだろう。そのきっかけを大学がつくり、その課題解決に向けた対策を学生ならではの視点で考えることは、教育面や研究面での意義を見いだすこともできよう。だが、そのためには入念な準備が必要だ。地域から要請があった活動を大学の活動として取り組めるかどうか、振り分けていくその線引きは、簡単ではない。

(佐藤 暢 高知工科大学 研究連携部 研究連携専門監)

編集後記

昨年の11月下旬、六本木アカデミーヒルズで「Innovation Field 2018」が開催されました。イノベーション・エコシステムを担う各界のプレーヤーが集結し、四つの会場に分かれ同時進行で行うプレゼンテーションです。中でも、75分間で10人のAIやIoT系ベンチャーによる入れ替わり立ち替わりのプレゼンは、質疑応答時間を除けば1人5分という短さです。開始直後は「せわしないなあ」と感じたのですが、1人で100分のプレゼンより、彼らの簡潔明瞭で集約された話の方が印象に残り、立ち見でも疲れを忘れて聞き入ってしまいました。

(本誌編集長 山口 泰博)